2017年11月18日

「大草原の鉄道建設」に買春がなかったはずがない

● 工手たち
● 町の男たち
● 児童婚
● 児童婚の前に親の奴隷
● 女児が成長するほど性差別が酷くなる
● 「ボーストさんのおくさん」

カテゴリ:Fismと「小さな家」シリーズ
http://lttlleo.seesaa.net/category/27539908-1.html

シリーズ第5作、「シルバー湖のほとりで」。
蝗害で困窮していた一家が、鉄道建設現場の労務管理の仕事を得てダコタ居留地に移住する。

「馬が五十組に、工手が七十五か八十人。この程度では、たいした飯場とはいえないよ」

「ステビンスでは三百五十人の工手が賃金を受け取りにくる」

鉄道工事が先へ進むのにつれて、飯場が移動する。*
そこに、男が買う女性がついていかなかった?

*一家は農地を申請し、定住する。

● 工手たち

父さんと母さんは、娘たちとりわけ鉄道工事に興味深々のローラが、工手たちに接触しないように神経を尖らせていた。

父さんまっすぐにローラを見ていった。
「おまえたちは、飯場に近づくんじゃないぞ。(中略)夜になってみんながもどってくるまえに、かならずうちに帰ってくること」。

母さんは、しんけんな顔でローラにいってきかせた。(中略)ローラが飯場に近づいたり、飯場のあらっぽい男たちと知りあいになったり、してほしくない。

父さんとか母さんが「男から娘たちへの性暴力」を懸念し警戒していたことは初見から伝わっていたが、今ようやく思い至ったのは「男が買う女性の存在を隠していたのもあったのでは?」。

● 町の男たち

冬が終わると、駅を基点に町の建設が始まる。

なんにもなかった大草原に、ひょっこり町があらわれた。たった二週間のうちに、町の大通りに新しい建物がずらりと並んだ。

父さんはいった。「この町にぜひとも必要なのが、そのホテルなんですよ。ホテルをひらいたその日から、あの土地の払い下げ申請の役所なみに、繁盛しますよ」

・・・・・町の人口比が明らかに男性に偏っていたことが指摘されていて、
ローラが後に結婚するアルマンゾと彼の兄ローヤルも「ひとり者」で入植した男性たちで、
オスの性依存を考えるに、「大草原の小さな町」に娼館がなかったと考えるほうが不自然だ。

● 児童婚

同作品は児童婚について早々に触れている。
ダコタ居留地に到着した翌朝。

「リジーが結婚したっていうの?」(中略)
リジーの母親は、とくいそうにいった。「あの子の父さんは、十三じゃまだ早いっていったけど、いい男がみつかったし、あたしゃ、若いうちにおちついたほうがいいっていったのさ。あたしも、若いうちに結婚したからね」

その暮らしがこれである。上記の前、

開拓農民のおかみさんは、洗濯物のかごをひきずりながら小屋を出てくると、馬車のところにやってきた。顔も、腕も、はだしの足も、日焼けしてなめし皮のように茶色い。くしのはいっていない髪はもつれ、くしゃくしゃのワンピースは、色あせ、よごれていた。


● 児童婚の前に親の奴隷

「娘はうちをでていって、これからは手伝いもいないんだからね」

しばらくすると、レナが、リジーは家にいるときよりも仕事が楽になったんじゃないかしら、といいだした。
「とにかく、あの子は自分の家で、自分の用をすればいいんだもの。いまに、赤ちゃんもできるしね」

自分の家でなく夫の家、自分の用でなく夫の世話、子の世話、家族の世話。
自分の服を縫い、身だしなみを整えることも「ちゃんとしたおくさん」の内である。

● 女児が成長するほど性差別が酷くなる

「小さな家」シリーズは児童文学ではあるが、
「女児で描くフェミニズム文学」が、正確な評価だと思う。

5歳の「大きな森」で既にルッキズムと「小さなレディー」規範の理不尽が描かれているが、
12歳の「シルバー湖」になると「性暴力の脅威」と「結婚と生殖」がすぐそこにある。

● 「ボーストさんのおくさん」

鉄道建設で働いていた「ボーストさん」がアイオワに戻って結婚して、
シルバー湖のほとりに連れてきた「ボーストさんのおくさん」。

おくさんは、メアリーとおない年に見えるくらい若かった。

※ローラの姉、メアリーはこの時14歳。

お日様が照っている日には、おくさんとローラとキャリーは、よくいっしょに外で遊んだ。しっかり厚着をしてから、深い雪の中でおすもうをとったり、走ったり、雪合戦をしたり…。雪だるまをこしらえた日もあった。それからシルバー湖の氷の上で、きらきらとまぶしい身を切るような寒さの中を、走ったりすべったりすることもあった。

ボーストさんがおくさんに出会ったのは二十一で、おくさんは十七だったそうな。

「おくさん」、17歳か18歳?


posted by Erin at 00:00| Comment(0) | Fismと「小さな家」シリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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